#経済ニュースをガブリ

宅建士、賃貸不動産経営管理士、FP2級、AFPとして活動するの私ガブリが経済ニュースや日常を綴っていきます🖋

相続のややこしい用語。

どうもガブリです。

 

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相続は生きているうちに多くの方が一度は経験する大事なことですが、逆を言えば一度や二度しかないので事前に知識が蓄えられないというものでもあります。

 

さらには法改正などもあって常にアンテナを張っていないとわからなくなる点もあり、非常に複雑なものです。

 

そこで今日は相続における「遺留分」と呼ばれる、遺族としての権利を主張するようなものについて書いていきたいと思います🖋

 

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2019年の民法改正によって相続に関する「遺留分減殺請求」と呼ばれるものが「遺留分侵害額請求」という名称に変わりました。

 

名称が変わったのはその内容が変わったからということであり、従来とは変更点があるので、この点については「自分の親が相続を経験しているから当時のことを聞いて相続についてはある程度把握している」なんて人にも必要な情報と言えるでしょう。

 

まず先に「遺留分」というものの法解釈はどういったものかというと、自己の財産というものは生きているうちにはもちろん所有権が存在しているわけですが、死後においてもその所有権をどのようにするかその当人が原則決められるようになっています。

 

そのため、遺言書などを残して「誰々にいくら残す」とか「誰々に不動産を譲る」など書いて自身の死後のその所有権を明らかにしていくわけですが、この遺言書などにおける内容を完全に支持してしまうと、例えば家族が4人いるのに1人にだけしか財産は残さないなど極端な考え方がまかり通ってしまいます。

 

すると元々相続における財産を頼りにしていたその他の人たちの生活を犠牲にすることになってしまうため、できる限り亡くなった人の意見は尊重しつつ、一定の相続人に一定の財産を確保させるとするのが「遺留分」の考え方です。

 

ここで混合しやすいのが「法定相続分」と「遺留分」の違い。

 

法定相続分とは民法によって遺産の相続割合の目安を決めたものです。

 

例えば旦那が亡くなった場合の妻は財産の1/2を貰うことができ、その子供も1/2貰える。

 

また、子供が2人いる場合には妻が1/2、子供2人は1/2を2人で割って2人で1/4ずつ。

 

とこんな感じです。

 

ではこれと違って「遺留分」とは何かというと、遺留分はいわゆる「相続財産の最低限の取り分」という意味を持つので、法定相続分とは数字が異なり、法定相続分のさらに1/2が遺留分となります。

 

ちなみに直系尊属(自分より前の世代の直通する親族:父母、祖父母など)のみが相続人の場合は法定相続分の1/3です。

 

つまり、父母息子の3人家族で旦那が亡くなった場合に遺言書で「息子に全財産1億円を相続する」と書いてあったとしても、妻は1/2の1/2である1/4の財産は遺留分として最低限受け取れる権利があるということで、2,500万円は貰える権利があるのです。

 

ただ、この遺留分を請求するためには相続が開始されたことや遺留分侵害となる贈与などについて「知った日から1年間」が請求の有効期間であり、これを過ぎると遺留分ですら請求できないことには注意しましょう⚠️

 

そして今回のお題であった「遺留分減殺請求」から「遺留分侵害額請求」へ変更となったことでどのような変化があったか。

 

それは従来では不動産などの財産があった場合に自身の遺留分については遺留分減殺請求をすることでその割合を共有持分として所有することになるのが通常で、仮にその他の相続人がそれ相応の価格を自分以外の相続人に弁償すれば、その不動産を単独所有できるとするというものでした。

 

一方、変更後の遺留分侵害額請求では、不動産などの財産の場合でも共有持分とせず、金銭による支払い請求ができるというものに変わりました。

 

従来では共有持分とすることが通常だったので、金銭によって相手方から弁償をお願いされることはあっても、こちらから金銭を請求するということではありませんでした。

 

どちらが良いかは人によって違うかもしれませんが、このような法改正があったということは知っておくことで対応が変わってくるので覚えておくと良いでしょう。

 

ただでさえややこしくなりがちな相続ですが、できる限り穏便に済むように各々が理解しておくようにしましょう🙆🏼‍♂️