SPCについて改めてわかりやすく。
どうもガブリです。
皆さんSPCというワードは聞いたことがあるでしょうか?
不動産投資へ興味を持つ人は聞いたことがあるという人もいるかもしれませんが、それでも知っている人は少ないかと思います。
そこで今日はSPCとは何かに加え、そのメリットやデメリットなどについても書いていきたいと思います🖋
SPCとは「Special Purpose Company」の略で、直訳すると「特別目的会社」と呼ばれます。
つまりSPCとは“会社”のことで、企業が不動産などの資産を企業内部から切り離して、それら特定の資産やプロジェクトを行うために作られる会社のことをいいます。
元々はこのような形態での会社作りは制度としてなかったのですが、1998年にSPC法が成立し、SPCの設立が可能になりました。
なぜこのような手順をふむのかというと、従来では企業が資産を保有している場合、その資産を運用する部門も当然必要となるのでそれだけの人員を揃える必要があります。
しかしSPCでは単なる受け皿としての役割でしかないため、その運用などについては他の法人や個人の方が行うことになるのです。
では具体的にSPCによってどのよう違いが出てくるのでしょうか。
通常、企業が資産を保有している場合には、その企業が倒産などしてしまった場合にそれら資産も失われることになります。
しかしSPCは資産を保有することを目的としているので、その仕組み上倒産してしまうということがありません。
そのため、切り離す前の企業が倒産してしまってもSPCが保有する資産は守られるという点でもSPCのメリットは大いにあるのです。
さらに企業としてもタイミングによっては良くも悪くもはあるかもしれませんが、SPCによって資産を切りはなすことによって、バランスシートに当該資産の計上の必要がなくなるので、それによって経営スタイルを柔軟に変更できるという点もあります。
しかしもちろんデメリットとなる場合もあるので注意⚠️
それはコストがかかるということ。
SPCは法人なので、その会社を設立するためには最低でも10万円程度かかります。
さらに会計監査や投資家への報告書作成など専門的な業務も多く、これらについて一定のコストがかかるのです。
つまりこれらコストが発生するとしても企業にメリットがあると判断できればSPCの恩恵を受けられるかもしれないので検討すると良いでしょう。
さらにSPCとしての法人設立には数種類のスキームが存在し、そのスキームによって得られるメリットなども違うので、簡単に見てみましょう👀
現在では新たに「有限会社」の設立はできないことになっていますが、それの代わるような形態として「合同会社」というものがあります。
SPCとして合同会社を設立し、投資家からの匿名組合出資と金融機関からの借入によって不動産などの信託受益権を取得するなどして運用するタイプのものです。
メリットとしては「株式会社よりも設立コストが低い」ことや「維持管理コストも他に比べてかからない」などがあり、SPCスキームの中でも最も人気のスキームです。
次に「特定目的会社スキーム」。
これはSPCとして「資産の流動化に関する法律」というものに基づいて特定目的会社を設立し、金融機関からの特定借入や特定社債を利用したり、投資家からの優先出資によって不動産信託受益権または現物不動産を取得して運用するスキームです。
メリットとしては、匿名組合よりも出資者を集めやすいという点と、何よりも資産を扱う会社として本来は金融商品取引業としての登録を行う必要があるのですが、当スキームの場合では一定の期間を決めて監督庁から許可を得れば金融商品取引業としての登録をせずに投資家を募集することが許されるという点が大きなメリットとなりえます。
次に「投資法人スキーム」。
これはSPCとして投資法人・投資信託に関する法律に基づいて投資法人を設立し、投資家から資金を集めて運用するスキームです。
メリットとしては、その他のスキームでは特定の資産について5年程度の運用期間で募集することが多いのに対して、当スキームでは運用期間を設けずに長期間の運用を行うことが多いため、一定のテーマを決めた長期間運用を検討する場合には恩恵があったり、当スキームでは先に投資家から資金を集めて収益性の高い資産などに投資を行うことができる点なども運用イメージによってはメリットと言えるでしょう。
このように同じSPCでもその内容が違ってくることもあるので、原則を理解しつつ、SPCのメリットを受けられるようにしましょう🙆🏼♂️