知らないということの弱さ。
どうもガブリです。
ファイナンシャルプランナーという活動をしていると相続や贈与など日常的にはあまり起こらないお金のこととかを相談されることが日常的にあります。
その中でも不動産の相続については解釈が難しいということもあり、相続が起こってから焦って相談される方が多いです。
それがゆえに家族みんながいきなり相続について色んな人から話を聞こうとして、それぞれの意見がまとまらず「争続」になってしまうというのは珍しい話ではありません。
そこで今日は不動産を所有しているときに気をつけなければならないことについて書いていこうと思います🖋
相続の際にはマイホームが財産の一つになっていることが多々ありますが、マイホームの購入では多くの人が住宅ローンを利用しています。
すると関わってくるのが「抵当権(ていとうけん)」と呼ばれるもの。
この抵当権とは何かというと、金融機関が融資をした際に「もしもお金を貸した相手が何かをきっかけに返済不可能になった場合、この家は取り上げさせてもらった上で、売却してお金にさせてもらいますよ」というような性質を持ったものです。
つまり、住宅ローンの返済が滞らなければ気にする必要のないものでもあるのですが、特に生前贈与などで不動産を受け取る場合にはこの抵当権については知っておく必要があるでしょう。
ちなみに相続の場合、マイホーム購入時に「団体信用生命保険」というものに加入している場合には所有者が亡くなった時点で抵当権は破棄されるので、抵当権のない、つまり借金のない家を受け取ることができます。
では、抵当権の性質について見てみましょう👀
少し難しい話になりますが、抵当権を正しく理解するためにちょっと付き合ってください。
抵当権には、
・物上代位性
・付従性
・不可分性
・随伴性
というそれぞれの性質を持っており、順に見ていくと、
・物上代位性
抵当権が設定されている不動産が災害などで壊れてしまった場合は担保としての目的が果たせなくなってしまいます。
その場合に同等の価値のある別のもので権利行使をする性質を持っています。
例えば、お金を貸した金融機関は火災によって焼失した不動産に対しての火災保険金を物上代位という性質に則って火災保険金を受け取ることができるというものです。
・付従性
抵当権は借金とともにあるという性質があります。
例えば借金が完済されたり、借金による債権が時効などによって消滅した場合にはそれに合わせて抵当権も消滅するというものです。
・不可分性
抵当権の割合は借金の割合に比例しないという性質があります。
例えば3,000万円の借入に対して抵当権が設定され、1,500万円の返済が完了した場合でもその時点で返済が不可能になった場合などは不動産の土地建物その全てを取り上げられてしまうのです。
つまり1円でも借金が残っている場合にはその不動産が完全に自分のものであるという主張はできないということです。
・随伴性
抵当権には返済責任者(債務者)を変更した場合にも変更前同様に抵当権としての役割を果たす権利があります。
例えば、AさんがBさんに抵当権付きの不動産を譲渡した場合、Bさんがその借金を返済する義務を背負うことになり、譲渡されたBさんが返済不可になった場合でもその不動産は取り上げられてしまうことになります。
このように抵当権の性質を理解しておくことによって、いざ誰かの不動産が自分のものになるという可能性が出てきたときに焦らず対応することができます。
特にこれから不動産投資を始めようと思っている方やすでに始めているという方は遺族の方にもこれらのことが説明できるように理解しておきましょう🙆🏼♂️