#経済ニュースをガブリ

宅建士、賃貸不動産経営管理士、FP2級、AFPとして活動するの私ガブリが経済ニュースや日常を綴っていきます🖋

「不動産」が「富裕層」のイメージから「負動産」と呼ばれるまで。

どうもガブリです。

 

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不動産といえば「高い」とイメージされる方が多いと思いますが、単純に消費するものとしてではなく資産価値があるという点で、投資対象となる意味では不動産の購入は贅沢とはまた違うお金の使い方と言えるでしょう。

 

さらにその“投資“という意味合いは年々変わってきていて、1980年代に起こった「バブル期」では「不動産は買った価格よりも高く売れる」といった、今でもフリマサイトなどである「転売目的」の売買も多く行われていました。

 

この転売を“投資“と位置付けるかは微妙なところですが、現在でも不動産投資といえば売却を視野に入れながら行うものでもあるので、短期売買でも投資の一つと言えるでしょう。

 

ちなみにバブル期では上記のように“不動産の価格は下がらない“といった土地神話が存在したわけですが、どのようにしてその時代が終わったかというと、当時も今と同様に土地を購入する際などは金融機関からの融資を受けることが前提で、多くの富裕層が不動産を頻繁に売買していました。

 

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しかし1993年頃に、実体以上に高騰した地価などを引き下げるために日本銀行が金融引き締め策(お金を借りづらくさせた)を行ったことが発端で、次にどんどん高く買える人が断ち、俗にいう「バブルの崩壊」が起こりました。

 

するとどんどんと高い値をつけて高騰していた不動産がいきなり買い手がいなくなることで価格を安くしないと買う人が現れなくなり、実体以上に膨れ上がっている価格をせめて実体経済に伴った価格へ変更しなくてはならないこととなったのです。

 

当時は多くの企業や富裕層がたくさんの不動産を所有していましたが、売れない不動産を持ち続けることとなった人たちはお金の返済も困難になり、倒産する企業や自己破産する富裕層がたくさん出てきてしまいました。

 

さらにこのバブル崩壊を機に、その後の20年間は「失われた20年」と揶揄され、経済低迷期に突入します。

 

これらのことが原因で不動産は「富裕層の儲け方」から「負のイメージを持つ資産」に変わってしまったのです。

 

しかし不動産そのものが悪いのではなく、ありえない土地神話を作り出してしまった事実がよくなかったという問題なので、実際にその後の2006年あたりからは不動産市場は再び上昇の兆しを見せ始めます。

 

この時期、不動産が証券化(株式などと同じように証券として不動産の購入に参加できるシステム)したことが大きな原因となっているようですが、改めてこの盛り上がりから「不動産ミニバブル」と呼ばれるまでになったのです。(バブルって弾けるからバブルなのに、ミニバブルってことは弾ける前提の盛り上がりってことなの?って思うけど。)

 

ただ、せっかく市場回復してきた矢先の2年後の「リーマンショック」でその勢いもまた下降してしまうのです。

 

リーマンショックとはアメリカによって起こったことなのですが、アメリカにて返済能力があまり高くないとされるような収入の人たちにも金融機関が不動産購入のための融資をたくさんしていたことで、実際に返済が滞る人が増え、経済が爆発してしまったことによる経済ダメージを指すものです。

 

バブル崩壊

リーマンショック

 

と誰でも聞いたことのある有名な経済のネガティブな歴史に不動産が大きく関わっているのです。

 

それからしばらく冬の時代を迎えた不動産市場ですが、2013年に安倍政権のアベノミクスをきっかけに再び熱を伴ってきます。

 

不動産を購入する際の借入金利が下がり、高い買い物である不動産を今までよりお得に購入できるようになったことが発端です。

 

この頃から中小規模の金融機関が個人投資家への融資を活発化させ、「富裕層だけでなくサラリーマンでもできる投資」というイメージを少しずつ定着させてきたのです。

 

つまり、不動産の歴史そのものは長いですが、サラリーマンなどが行う個人投資家による不動産投資はそんなに歴史が長くないという点があります。

 

これは良い点で考えると、歴史が浅いゆえに競争者が少ないので、不動産投資を成功させるための不動産選びがしやすいということが言えますが、悪い点で考えると、まだ個人投資家たちに充分な不動産知識がないゆえにトラブルが生まれやすいなどの点も考えられます。

 

その後も不動産業界では「レオパレス21施工不良問題」や「かぼちゃの馬車サブリース問題」などネガティブなニュースがメディアで流され、負のイメージに拍車をかけている部分はあります。

 

しかし改めて言いますが、悪いのは不動産そのものではなく、仕組みを勘違いしていることや、神話のような非現実的なことを信じてしまう警戒心の低さに問題があるといえると思います。

 

これらのような警戒心の低さは不動産投資に限らず、人との付き合いなど全般に影響することなので、なんでも「よくわからないから専門家にお願いすればいいや」ではなく、ある程度までは一緒になって勉強していく覚悟で投資を始めるようにしましょう。

 

なんでも疑うことでスタートしないのはそれはそれで問題ですが、興味を持ったら素早く知識を吸収する準備をし、人よりも早く正しい行動で利益を得られるように動けるようにしましょう🙆🏼‍♂️