営業などに使われる「フレーミング効果」。
どうもガブリです。
営業や接客などが上手な人が意識的に、または無意識に使っているのが「フレーミング効果」。
フレーミング効果とはノーベル経済学賞受賞者であるプリンストン大学名誉教授のダニエル・カーネマン氏と心理学者のエイモス・トヴェルスキー氏が米国の学術誌である「サイエンス」にて1981年に発表した、心理現象を表すものです。
例えば、家計に関するある調査によると、「収入の20%を貯金できるか」という質問に対して、多くの人は「ノー」と答えたものの、「収入の80%で暮らせるか」という質問に対しては「イエス」と答えたそうです。
内容は同じことですが、表現の方法によって受けての感じ方が変わるといった一つの例です。
学術誌「サイエンス」にて実際に発表を行なったダニエル・カーネマン氏はフレーミング効果のことを、
・「フレーミング効果は絵画のフレームのようなもの。どこを強調するかによって与える印象を変え、意思決定に影響を及ぼす心理現象が、フレーミング効果なのです。」
と説明しています。
例えば営業マンがこのような手法を用いてモノやサービスを売るとすれば、悪い印象操作にも感じることはあるかもしれませんが、上記の例えでいうと、実際に収入の80%で暮らせる自信を持ってもらい、20%の貯金を実行してもらうことで、無理なく貯金への背中を押せるともとれるのです。
しかし感覚的にはわかるような気がするものの、なぜこのように聞き方一つで判断が変わってしまうのか。
それについてもダニエル・カーネマン氏とエイモス・トヴェルスキー氏は説明しており、
・「人間の価値の感じ方には偏りがある。それは“利益が出ているとき“は確実性を好み、損失を避けようとするが、“損失が出ているとき“はリスクを負ってでも利益を求める」
という性質を論じています。
少し話は変わり、違った心理現象の中では有名な、アメリカの哲学者マイケル・サンデル氏も「これからの正義の話をしよう」という本の中で「トロッコ理論」というものを説明しており、
「列車が走っているところ、線路の上に5人の男性が存在する。5人の男性に対してハンドルを反対の線路にきれば5人は助かるが、反対の線路にいる1人は死ぬ。さぁどうする?」
というようなもので、究極な選択だが、この場合多くの方はどうせなら多くの命を助けるためとハンドルを反対にきるという判断をするようです。
しかし、
「先ほどと同じように列車が走っている線路上に5人の男性がいる。君は線路の上にある橋に立っており、君の横に太った人がいる。その人はかなりの体重があり、もし彼のことを君が線路上に突き落として列車の障害物にすることができればトロッコは確実に止まり、5人は助かる。太った人はもちろん亡くなってしまうが、さぁどうする?」
と続けて質問します。
この質問においての答えは“突き落とすか“、“突き落とさないか“の2択に限定されており、仮に「自分が飛び降りてトロッコを止める」などと考えても、自分の身体の大きさではトロッコは止められないと仮定しています。
最初の質問の答えに準ずれば、多くの命を救うために1人を犠牲にするということになりますが、ここでは多くの人が「自らの手で太った人を突き落とすことはできない」と判断するのです。
これらも考え方や聞き方を変えることで判断を変えるという一つの方法であり、このように考え方を改めさせるきっかけを作ることすらあるのです。
しかし中にはこのフレーミング効果を悪用し、間違った判断へと誘おうとする人がいるのも事実で、我々はそれらを嗅ぎつけて正しい判断を常にしていかなければなりません。
このことを前提にいろんな広告などを見てみると、気にしていなかった部分が見えてくるので面白いですよ💡
営業や接客、広告業界の人たちはこのフレーミング効果を意識してみるとお客様を正しい方向へ向かせてあげられるかもしれないので、今までとは違った角度で今一度身の回りを確認してみましょう🙆🏼♂️