ヒューリスティックという概念がもたらす失敗。
どうもガブリです。
先日はプロスペクト理論について書いていきましたが、いろんな場面で感情が先行してしまい、失敗したという体験はほとんどの方がされているのではないでしょうか?
そこで今日は行動心理における「ヒューリスティック」というものについて書いていきたいと思います🖋
ヒューリスティックとは、これまでの経験や先入観などから答えを導こうとする思考のことをいいます。
例えば、トランプをシャッフルし、山を作って一番上から引いていった場合、まずは赤か黒のどちらが出るか予想するとします。
すると1枚目が黒、2枚目も黒、3枚目も黒と続くとします。
そうなるとなんとなく「そろそろ赤が来るんじゃないか?」と考えてしまうことがあると思いますが、実際にはトランプの場合、黒が26枚、赤が26枚となっているので、まだまだ十分に黒が出る可能性はあるわけです。
まさにこのような先入観から答えを導こうとするというのもヒューリスティックの一つです。
つまり計算による正確かつ論理的な解決ではなく、不完全な答えを求めてしまうことが起こりうるということなのです。
少し難しいもので「合接の誤謬(ごうせつのごびゅう)」と呼ばれるものがあるのですが、これも行動経済学などの分野では大きな影響力を持つものであり、具体的な例として下記のような質問にどのような答えを導き出すかを試したものです。
・リンダは31才、独身、率直な性格で、とても聡明である。大学では哲学を専攻した。学生時代には、差別や社会正義といった問題に深く関心を持ち、反核デモにも参加した。
では下記の2択のうち、どちらの可能性が高いでしょうか。
①.リンダは銀行窓口係である
②.リンダは銀行窓口係で、フェミニスト運動(女性解放運動)に参加している。
、、、どうでしょうか?
実際にこの質問を受けた多くの人が②を選んでいます。
それはリンダが差別や社会正義に対して深く関心があったというヒントがあったからこそ導き出された答えではありますが、その反面①は銀行窓口係であるという1つの答えしかないのに比べ、②はプラスアルファでフェミニスト運動を行なっているという2つの事象を含んでおり、②のように2つの事象が同時に発生する確率は①のようにどちらか1つの事象が発生する確率よりも少なからず高くはありません。
つまり、ヒントが与えられたことによって確率が低いかもしれない答えを導き出してしまうのです。
これがいわゆる「論理的ではない先入観からの答え」であり、ヒューリスティックの一種なのです。
このような思想は日常的にも多くの判断を間違えさせますが、当ブログで主に扱っている投資という分野でもその影響力は高いと言えるでしょう。
「人は正しい答えよりも自分に都合の良い答えを選びたがる」という性質を持つため、正しい答えを求めるときは自分の判断が何かに偏っていることはないか意識的に確認するようにしましょう🙆🏼♂️