民法改正によって変更となった「法定利率」
どうもガブリです。
法律の中には民法や刑法など、その中でも色々な法律が存在します。
しかし、この法律は少し古臭いものも多く、時代にそぐわないものもたくさんあるのです。
そこで、今年4月に約120年ぶりとなる民法の改正が行われ、ちょっとしたニュースになりましたが、今日はその中でも「法定利率」の変更について書いていこうと思います🖋
まず法定利率とは何かについては、“利息のつく借金“において当事者間に利率の定めがない場合や、支払いが遅れてしまった場合の遅延損害額、さらに交通事故等の損害賠償額を算定する場合などに適応される利率のことです。
つまり、一般的に私たちが銀行や消費者金融からお金を借りる場合にはすでに「借りる額に対する利息」が定められていますが、曖昧な状況における場合の利率などを事後的に確認する場合などに役立つものです。
そこで今回の改正の概要は、「これまでの法定利率は高すぎる!」との批判を受け、市中金利(市場で決まる標準的な金利)との整合性が図られたのです。
改正についての条文をみてみましょう。
↓↓↓
⑴法定利率は、年5%の固定制を廃止し、当初年3%と定め、3年ごとに見直す変動制を導入。
⑵法定利率の引き下げによる実務への影響。
①損害賠償額の増加
②ライプニッツ係数(人身傷害保険の保険金額算出に使用するもの)の引き上げと、それに基づく保険金の支払額の増加。
といったものです。
それでは、法定利率が変動制になると今後の利率にどのような影響を与えるのか。
これまでは年5%で固定だったのですが、それでは市中金利に対してあまりにも高すぎるので、今回の3年ごとに変動という形で着地したわけですが、変動と聞くと、「むしろどんどん利率が上がっちゃったりしない?」と不安にもなりますよね?
しかし現在の経済状況を勘案すると、制度の仕組み上、短期間にどんどん法定利率が上がっていっちゃうということは考えづらいです。
仕組みとしては簡単に説明すると、変動させるのは前回の変動時と比較して1%以上の変動があった場合のみということになっており、さらにその場合でも少数点以下の変動はなく、常に整数での変動になります。
そのため、市中金利の変動と連動して3%から4%に上がったり、その後また3%に戻ったりと緩やかに変動するということです。
後は、支払いが遅れた場合の遅延損害金などに適応する法定利率については、変動制であるがゆえに“どの時点の利率が有効なのか“は気になるところです。
これについては、「遅延の責任を負った最初の時点」と明記されており、その他にも「利息を生ずべきお金の貸し借りにおける利息金」については、「その利息が生じた最初の時点」ということで明記されています。
つまり、1つの債権における法定利率の適応については必ず1つになることになります。(固定制と変動制が同時に適応されることはありません。)
まとめると、お金を借りる側は今までよりも遅延金に対する返済額は減少し、お金を貸す側は今までよりも遅延金に対する受け取り額は減少するということになるのです。
多くの方が気にしておくべきポイントではないかもしれませんが、このようにあまり公になっていない法改正などはなんとなく頭に入れておくだけでもいざという時に役立つので、簡単に勉強しておきましょう🙆🏼♂️