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土地の相続後に登記をしない人が多いことで所有者不明の土地が多い!?

どうもガブリです。

 

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皆さんはニュースなどで所有者が誰だかわからない土地が増えているというのを聞いたことがあるでしょうか。

 

マイホームなど自身で不動産を購入する場合には、それと同時に司法書士に土地と建物について登記をお願いしたりしますが、親からの相続などで不動産を所有することになった場合、わざわざ登記をお願いするという人は意外にも多くないようです。

 

そんなことがあるものなのかと考える人もいるかと思いますが、これまでは実際に親から子へ登記を変更していなくとも行政から何か言われることはなく、それがまかり通っていたのです。

 

しかし去年4月にこれについての法律が改正し、相続による登記が義務化されることになりました。

 

そこで今日は、具体的にどのような改正があったのかなどについて書いていきたいと思います🖋

 

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まず不動産について詳しくない人はもしかすると不動産の所有者は家の前に書いてある表札で確認すると思っている人もいるかもしれませんが、不動産の場合は実際にそこに住んでいる人とその不動産の所有者とでは違うことはよくあり、実は不動産の持ち主を確認するためには「不動産登記簿」を閲覧することになります。

 

そしてメディアなどで言われる「所有者不明の土地」とは、不動産登記簿によって所有者が直ちに判明しない土地、もしくは所有者が判明したとしても所在が不明で連絡がつかない土地のことを指しているのですが、、、

 

この理由については冒頭でも説明した通り、親などの元々の所有者が亡くなった際に相続登記がされておらず、登記簿を見ても持ち主がわからないことが原因となっているのです。

 

しかしこのような自体は古くはあまり把握できていなかったのが実情で、これらが明確になり始めたのは「東日本大震災」の時なのですが、復興事業の用地取得の際に、数千件の所有者不明の土地の権利移転の問題などで調整が難航したのが表面化するきっかけとなりました。

 

また、土地が管理されずに放置されているケースが多く、老朽化やゴミの不法投棄など近隣への悪影響も問題になっています。

 

そこで所有者不明の土地が今後さらに出てこないように法律が改正されたのです。

 

具体的な改正のポイントは以下のようになります。

 

①発生予防の観点から不動産登記法を改正

平成29年の国土交通省調査によると、所有者不明の土地の割合は22%となっており、その発生原因の66%が相続登記の未了、残りの34%は住所登記変更の未了だったのです。

これまでは相続登記の申請は義務化されておらず、申請しなくても不利益になることは少なかったため、申請しない人が多くなっていました。

 

そこで、これまで任意とされていた相続登記や住所等変更登記の申請を義務化し、それらの手続きの簡素化、合理化策を盛り込みました。

不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請を行うことを義務付けます。

また、正当な理由のない申請漏れには過料が科されるようになるのです。

 

②発生の予防の観点から新法を制定

近年は土地利用ニーズの縮小により、土地を相続しても手放したいと考える人が増えており、それが土地の管理不備を招いている一面があります。

そこで、相続などによって土地の所有権を取得した者が、その土地の所有権を国庫に帰属させる制度を創設しました。

 

法務大臣の承認を受けた上で、10年分の土地管理費相当額を負担する必要はあるものの、国家帰属という選択肢を用意して、所有者不明の土地の増加を未然に防ごうというものです。

 

③利用の円滑化を図る観点から民法などを改正

民法などを改正し、所有者不明の土地の管理に特化した所有者不明土地管理制度を創設するなどの措置を講じました。

この制度では、所有者不明の土地、建物については、裁判所が管理命令を発令し、裁判所の許可があれば売却することも可能になります。

管理不全の土地、建物(所有者が適切な管理をせず他人の権利が侵害される恐れがある場合)については、管理人の選任を可能にします。

 

また、不明共有者がいる場合も、共有物の利用・処分を円滑に進めることが可能になる仕組みを創設しました。

 

これらからわかるのは、「相続登記をしないと罰則がありますよ」ということであり、正当な理由なく相続登記の申請をしない場合には10万円以下の過料の可能性もあります。

 

さらに、この法律の適用は「この法律が成立する前から所有している不動産」も対象になるため、昔に相続したまま登記をしていない場合も注意が必要です。

 

ただ、今すぐにではないのでまだ焦る必要はありません。

 

この法律の施行については令和6年に開始する予定になっており、制度が開始してから申請については3年間の猶予期間があります。

 

もちろん早めに申請しておくことに越したことはないですが、周りにもそのような人がいるということがあれば、是非教えてあげましょう🙆🏼‍♂️