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不動産投資における「木造建築」は危険!?(後編)

どうもガブリです。

 

不動産投資入門 | 山中 龍也 | 金融・ファイナンス | Kindleストア | Amazon

 

昨日は不動産投資における「木造建築」の考え方について書いていきました。

 

今日はもうちょっと深堀して、木造アパート経営のルールや、どんな方に向いているのかなどについて書いていきたいと思います🖋

 

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昨日も木造の法定耐用年数がその他の構造に比べて短いということについて触れましたが、それがどのような影響を及ぼすのか、まずはそれについて具体的に見てみましょう。

 

法定耐用年数とは、建物や車、設備など業務で長期的に使える資産の使用可能期間のことをいいます。

 

とはいっても実際にそれぞれの対象が壊れるまでの期間を言っているわけではなく、国では、資産ごとに法定耐用年数を定めており、それに基づいて建設や購入にかかった費用を分割して経費にしていくことができるのです。

 

そして経費を分割していくときの項目が「減価償却(げんかしょうきゃく)」と呼ばれるものであり、建物の法定耐用年数は、構造によって期間が異なります。

 

・鉄筋コンクリート 47年

・鉄骨の肉厚が4mm超 34年

・鉄骨の肉厚が3〜4mm以下 27年

・木造 22年

 

といった感じで、やはりその他の構造と比較すると最も法定耐用年数が短いことがわかります。

 

ただ、先ほども書いた通り、実際に木造が22年で壊れてしまうわけではなく、計算に用いる基準となるために国が便宜上、設定した使用可能期間ということになっています。

 

ではこの法定耐用年数ですが、それぞれ期間が異なることはわかったものの、長い方が良いのか、短い方が良いのかについてはどうでしょう。

 

結論から言うと、「何を重視するか」によります。

 

例えば鉄筋コンクリートの場合、47年の法定耐用年数があるので、建物の購入金額を47年に渡って経費計上していくことになります。

 

木造は22年にわたって経費計上していくわけですが、その上で鉄筋コンクリートの建物が3,000万円、木造の建物が2,000万円だったとしましょう。

 

すると細かいこと抜きに簡単な計算をすると、鉄筋コンクリートの場合、

 

・3,000万円÷47年=638,297円

 

を47年間にわたって計上していくことになりますが、木造の場合、

 

・2,000万円÷22年=909,090円

 

となるので、購入価格は木造の方が安かったとしても1年間に対して計上できる経費は木造の方が多くなります。

 

ただ、この法定耐用年数というのは金融機関が融資をする際にも目安にしている指標であり、多くの金融機関はローンの返済期間を法定耐用年数内に設定しているということがあります。

 

すると木造の場合、新築時点で22年の法定耐用年数しかないので、もしもその期間内で返済していくとなると毎月の返済額は上がることになります。

 

マイホームの場合は木造でも35年ローンなど組めますが、収益用不動産の場合は勝手が変わるので、覚えておくと良いでしょう。

 

ここまででおおよそ木造がどのような特徴を持っているか理解できたかもしれませんが、ここからは対極的にある鉄筋コンクリート造との比較で見てみましょう👀

 

まず木造を鉄筋コンクリートと比べて、固定資産税などに違いがあるか見てみると、木造の方が総合的に支払う金額は少ない傾向にあります。

 

建物の新築時の固定資産税評価額は、請負工事金額の50〜60%程度が基準となるのですが、そこから築年数とともに評価額が下がっていくようになっており、鉄筋コンクリートの場合は約20年かけて評価額が半分になるものの、木造の場合は約10年で評価額が半分になるため、固定資産税を抑えたい場合は木造の方が有利です。

 

では、資産価値についてはどうでしょう。

 

建物の資産価値に対する絶対値はないので一概には言えませんが、それぞれにかかる工事費用を国税庁の「地域別・構造別の工事費用表【令和3年分】」で確認すると、鉄筋コンクリートの場合は1平方メートルあたりの工事費用が26万円程度であるのに比べて、木造の場合は1平方メートルあたり17万2,000円となっているため、それだけ鉄筋コンクリートの資産価値の方が高いということがわかります。

 

しかしそれによって逆を言えば、修繕費用は鉄筋コンクリートの方がかかるということになるので、長期的に見るとコストが高いのは鉄筋コンクリートだということがわかります。

 

このように、どちらかが「絶対に良い!」ということはなく、それぞれの特徴を理解した上でどちらを選択するのか判断することが大事です。

 

これらを前提とした上で、木造アパート経営に向いている人の特徴としては、「自己資金を抑えたい方」といえるかもしれません。

 

その他の構造に比べて建築費用がかからないということは評価額においても低いということになるので、最初にかかる諸費用なども安い傾向にあります。

 

また、初年度から減価償却率も高いため、全体的に所得税を圧迫することもでき、節税効果も早い段階で高く取れるのが木造の特徴です。

 

一方、鉄筋コンクリートマンション経営に向いている人の特徴としては、「自己資金に余裕がある人」ということになるでしょう。

 

鉄筋コンクリート造のマンションの場合は、他の構造に比べて、駅近など好立地で建築できるケースがたくさんあります。

 

それによって賃貸需要が継続的に獲得しやすいといったメリットがあるため、その他の構造に比べてコストがかかる傾向にはありますが、運用として安定感がある点では安心感があるといえるでしょう。

 

こんな感じでそれぞれの特徴を知って「何が自分らしく運用できそうなのか」を判断することが成功への近道なので、是非分析してみるようにしましょう🙆🏼‍♂️