不動産投資における“繰上げ返済”はどう考えるべきか。
どうもガブリです。
不動産投資入門 | 山中 龍也 | 金融・ファイナンス | Kindleストア | Amazon
不動産投資を始めるときにまず完済までのおおよその収支シミュレーションは行うと思いますが、そのシミュレーションの中に繰上げ返済を計画している人もいれば、後に繰上げ返済を検討するという方もいるかと思います。
しかしどのタイミングで繰上げ返済すべきなのか、そもそも繰上げ返済をすべきなのかなど悩んでいる方も多いと思うので、今日は不動産投資における繰上げ返済の考え方について書いていきたいと思います🖋
まず繰上げ返済とは何かというと、融資を受けたのちの返済中にまとまった資金ができた場合、毎月の返済とは別に借入残高の一部を先に返済することをいいます。
またその返済額は利息部分を省いた元本部分にのみ返済充当されるので、本来その元本にかかるはずだった利息の支払い負担を削減することができるのです。
さらに繰上げ返済には大きく分けて2種類あるのでそれについても見てみましょう👀
①期間短縮型
期間短縮型は繰上げ返済した際に毎月の返済額は変えずに返済期間を短くするという繰上げ返済方法です。
②返済額削減型
返済額削減型は期間短縮型とは反面、繰上げ返済した際に返済期間はそのままで毎月の返済額を減額させるという繰上げ返済方法です。
一般的に利息削減効果が高いのは「期間短縮型」といわれていますが、月々の負担そのものを減らすのは返済額削減型なので、それぞれポイントを理解して利用するようにしましょう。
ではどのようなときに繰上げ返済を検討するのでしょう。
まず期間短縮型においては完済までの期間が短くなるので、追加の融資を検討している場合に有効的です。
残債が残っている時点で追加融資を申し込むことも可能ですが、完済後に改めてじっくり追加融資を考えたいという場合や金融機関によっては無借金の方が有利に融資を受けられるといった場合などは繰上げ返済による期間短縮を選択すると良いでしょう。
また、現在は支払いに余裕があっても完済まで同額を支払い続けるのは困難かもしれないと考える場合には返済額削減型で月々の負担を減らすというのも手です。
しかし繰上げ返済は余裕があれば必ずしたほうが良いかと言われればそうではなく、全体的な状況を把握することがまずは大事です。
以下についてもみて見ましょう。
まず利息を減らすということは負担を減らすことにおいて大事なように思えますが、不動産投資においては返済額のうち「元本部分」は経費になりませんが、「利息部分」は経費に計上することができます。
そのため、不動産投資の目的によってはこの利息部分の経費計上を利用してバランスをとっていくこともありますが、中には「経費計上額よりも返済額の方が大きい場合には繰上げ返済が必要」と考える人もいます。
不動産投資では月々の返済や固定資産税など定期的にかかる経費があるほか、修繕費用など不定期にかかる費用もあるため、不足の事態に備えられる経済状況は必須です。
利息部分が経費になるからといって繰上げ返済をあえてしないという方法をとったとしても、運用が上手くできなくては本末転倒なのでその点については注意するようにしましょう。
また、繰上げ返済を行うことによる負担減よりもメリットのある有効的なお金の使い道がある場合には繰上げ返済を選択する必要はありません。
例えば繰上げ返済を行うことによる金利負担分の軽減度合いよりも、追加で購入検討する投資物件の方が利回りとして良いといった場合では繰上げ返済にお金を使うよりも追加購入を検討した方が良いという場合はあるでしょう。
これらも最終的な投資のゴールの描き方によって判断が異なるはずなので、とにかくまずは投資展望をはっきりさせることを優先しましょう。
このように、「繰上げ返済というのは知っている」という状況だけでは判断できないことも、上記に書いたように多くの方がどのようなタイミングや状況において繰上げ返済を行なっているのかがわかると自分に照らし合わせた際に判断がしやすくなると思うので、「繰上げ返済」のことだけにかかわらず、情報は多角的に取得するようにしましょう🙆🏼♂️