#経済ニュースをガブリ

宅建士、賃貸不動産経営管理士、FP2級、AFPとして活動するの私ガブリが経済ニュースや日常を綴っていきます🖋

収益不動産が節税に良いって営業トークだよね??

どうもガブリです。

 

収益不動産の業界では「節税になる」は営業トークでも超王道で、営業を受けたことのある人は聞いたことがあるかもしれません。

 

これについては結論からいうと、

 

嘘じゃないけど、その恩恵をしっかり受けられる人は少ない。

 

です。

 

今日は、不動産を持っていると節税についてどのようなメリットがあり得るのかについて書いていこうと思います🖋

 

まずは昨日相続税について書いているので、相続税の節税についてから。

f:id:GABURI:20200723164013j:image

相続税節税以外の節税についてはまた別の記事にまとめていきます。

相続税の特性についてはそちらで確認していただければと思いますが、

 

 

gaburi.hatenablog.com

 

 

不動産が相続において節税効果を発揮するのは、ある程度資産を持っていることが前提となります。

 

この点、不動産の営業マンすらわかっていない人が多くて、不動産による相続税の節税に関しては、相続税そのものの仕組みについて理解していないといけません。

 

まず、不動産が現金等よりも節税効果が高いのは事実で、土地や建物は相続税の計算上、市場価格の約7〜8割で評価されるのがその理由です。

 

そして、賃貸用として稼働している収益用不動産の土地の場合は貸家建付地としてさらに相続税計算上の評価が下がります。

 

ちょっと難しい話になりますが、賃貸用のアパートやマンションが建っている土地は、借地権割合と借家権割合の部分が差し引かれるのです。

 

この借地権割合差し引きの度合いはその土地によって違いますが、例えば東京など大都市圏の住宅地は60〜70%が一般的です。

ただ、例えば銀座ですと90%とかなので、あまり借地権割合での相続税節税は薄まることになります。(これは都心部だとその土地の価値が高いため、節税効果が薄れる関係にあります。)

借家権割合については相続税評価で使用するものとして30%で統一されています。

 

具体的にはGoogle等で「国税庁 路線価」などと調べると地図のところに借地権割合が%で表示されているので、自分の住んでいる場所だとどのくらいなのか見てみても面白いでしょう。

 

具体的にどのような計算になるかというと、例えば建物3,000万円、土地2,000万円の収益用マンションを購入していたとしましょう。

 

相続税計算に使用される価値は、購入価格ではなく、評価額といわれるものなので、それなどについては以下の数字だったと仮定します。

 

・建物の評価額:2,100万円(所有する不動産を管轄する市役所などで確認できます。)

・土地の評価額:1,600万円(路線価によって計算できます。)

・借家権割合:30%

・借地権割合:70%

・賃貸割合:100%(相続税が課税される時期に部屋の貸し出しが行われていたかというもので、2部屋所有の場合、1部屋しか賃貸していない場合は単純計算で50%になります。)

 

上記評価額の場合、

貸家建付地の評価:1,600万円×(1−借地権割合70%×借家権割合30%×賃貸割合100%)=1,264万円

となるので、建物2,100万円+土地1,264万円=3,364万円

 

つまり、5,000万円の資産が、3,364万円に圧縮されたということになります。

 

現金所有の場合はこのような軽減措置がなく、所有する現金全てが課税対象となるため、不動産を所有することによる節税が上記のようであることから相続税の節税としても説明されることの多い不動産。

 

しかし昨日の記事でも説明した通り、相続税は一人で相続した場合、3,600万円を超える資産でない場合は相続税がかからないので、仮に1,000万円の貯蓄をしている人が融資によって貯蓄を減らさずに上記の不動産を購入した場合、残債は団体信用生命保険によって相殺されますが、3,364万円となる資産が残ることによって、貯蓄1,000万円+不動産3,364万円=4,464万円となり、3,600万円を超えた差額の864万円に対して課税されることになってしまいます。

 

上記で購入している不動産がちゃんと収益用不動産として稼働しているのであれば、多少相続税を支払っても相続する価値がありますが、その不動産があまり喜ばれない不動産だった場合には、もともと貯蓄1,000万円をそのまま相続できたのに、不動産の所有によって無駄な相続税がかかるようになってしまうという例もありますので、購入の際には十分検討しましょう🙆🏼‍♂️