#経済ニュースをガブリ

宅建士、賃貸不動産経営管理士、FP2級、AFPとして活動するの私ガブリが経済ニュースや日常を綴っていきます🖋

レオパレス21が決算発表。

どうもガブリです。

 

コロナウィルスの影響から緊急事態宣言による不要不急の外出禁止令が出て、それも5月中旬から下旬頃に向けて解除となった今、しばらく当ブログも書いていませんでしたが、社会は色々とかたちを変えはじめています!

 

コロナによって大きな影響を受けているところが多いのはもちろん、元々業績が危ぶまれていることで今後のアフターコロナに対してどのように活動していくのか考える必要がある企業も増えています。

 

その中の一つ、「レオパレス21」が6月5日に2020年3月期の連結最終損益を発表。

 

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前期でも686億円の赤字となっていた当社は、今期802億円の赤字と傷口を広げており、直近3ヶ月の売上営業損益率は前年同期の0.7%からマイナス13.0%に急悪化しているとのこと。

 

その要因について振り返ってみよう。

 

まず最初に2017年12月、“サブリース問題“が発覚。

サブリースとは簡単にいうと、物件のオーナーさんに入居者の有無を問わず家賃を保証する(そのかわり相応の手数料がかかる)というものだけど、不動産業界ではスタンダードな契約形態であり、当社もそれによる管理物件を増やしていたところ、業績の悪化を理由に家賃保証契約をほぼ一方的に解除したということがありました。

 

さらに翌年2018年の5月には違法建築が発覚し、その内容は、本来共同住宅では隣の部屋との間に防火や遮音の効果のための界壁が建築基準法上必要とされているが、それがそもそもなかったり、十分ではなかったりするものが複数発見されたというもの。

 

これについては何年も前から「レオパレスに賃貸で住むと隣の携帯のバイブ音で起きるほどに遮音性がない」などよく聞いていたため、ここにきてやっと解明されたといっていいし、少なくとも数年間はそのような物件が竣工されていたということでもある。

 

このような背景から、2019年には当時の社長が退任となり、現在では違法建築物件の建て直しや修繕などに莫大な資金がかかり、赤字が拡大している要因となっています。

 

現状発覚した違法建築物件の13%は修繕完了しているということが今回発表されているが、逆にいうと残りの87%はこれから完了していくことを考えると中々大変な状況が続いていることがわかる。

 

ということで、収益が支出を上回らない状況での経営なので赤字が続いていることはわかるが、レオパレスはまずどのような収益源を持っているのか。

 

それには4つの種類で区分けしており、

まずは「賃貸事業」

やはり不動産会社なので賃貸事業は大きな収益源となっています。

賃貸事業ではアパートの賃貸に加え、不動産仲介業務や太陽光事業の収益も含んでおり、当社最大の収益源といえるでしょう。

 

次に「開発事業」

こちらは名前の通り、当社独自の物件の建築工事請負によるもの。

これに関しても主力事業ですが、現在は上記で書いた“サブリース問題“を機にほぼストップ状態です。

 

次に「シルバー事業」

こちらは介護施設の運営。

 

次に「ホテルリゾート・その他事業」

こちらも名前の通りホテル・リゾート施設の運営等がなされています。

 

今期では超主力の賃貸事業ですら赤字との報告なので、どれかの事業が他を支えている状態でないということからもかなりキツイ経営状態ととれます。

 

具体的にはバランスシートを見てみると、自己資本比率といって、返済義務のない資本の比率を表す指標については、0.7%ということで、ほぼ債務超過寸前といった状況。

企業の自己資本比率は30%くらいはないと安全とはいえないなどの考え方がスタンダードであることからも、かなり低いことが分かるだろう。

 

しかし当社では建物や土地の所有も豊富であり、建物等では238億円、土地では368億円の資産計上となっているものの、実際に売却した際には見込み以上の金額で売却ができることもあるため、あくまでバランスシート上の数字の問題という点では過剰反応は厳禁かもしれない。

 

その他キャッシュフロー表を見てみると、国内ホテルや賃貸用住宅の譲渡による投資活動は395億円の収益を得ているものの、営業活動による収益と財務活動(借入や社債の償還など)による収益は営業マイナス516億円、財務マイナス120億円ということで、投資活動の収益ではその他のマイナスを賄えずキャッシュフロー合計はマイナス241億円ということだが、現金や現金同等物の期末残高は589億円あるので、すぐにキャッシュアウトになって倒産ということはなく、とりあえずはまだ活動し続けられる状態にあります。

 

来期では80億円の赤字までに赤字幅を縮小する見通しということも発表していますが、当期では1年以内に資産にできる“流動資産“が883億円であるのに対し、1年以内に返済しなければならない流動負債が900億円あるということもあり、より投資活動による収益を高め、営業活動や財務活動の赤字縮小を見込んでいかないと経営はかなり危機的状況になると思われます。

 

最後に、決算発表同日の6月5日、当社大株主である村上氏が、数百億円の大規模な増資を引き受けることを受けて、低下しつつある再建期待が高まる流れとなっているという情報もあるため、今後のレオパレスの動きには引き続き注目したいと思います!!!!